感動のエピソード

「並んで歩く・楽しく歩く」

2019/4 どんぐり組(2歳児クラス)

車通りの少ない川沿いに行き、2人1組で列になって歩く練習をした。私は「きちんと並ぶ(散歩とは、友だちとの手を離さない・整列する・抜かさない・はみ出さない・ふくらまない・間を空けない)」ことに強くこだわっていた。これに対してY先生から「1人でもちゃんと歩けないのに、2人で手をつないで歩けるわけないじゃん。まずは自分で歩くことからやればいい。バラバラでもいいから。」と。しばらく自由に歩き続けた。並んでいない子には、リズムをつけその子の名前を呼びながら歩くと嬉しそうに保育者に注目して歩く姿があり、私の自身の気持ちも楽になった。すると、一瞬だったが全員が上手に列になって歩いた。

 

<保育観>

Y先生がそう伝えた背景には、自分の存在を認めてもらうという養護の働きにより、子ども達は自己肯定感が立ち上がり、心の土台が育つことで必ず自分のいまを乗り越えようと試み、それが力に転化していくという考えがあったから。「力をつけることが先と考える保育」より【心に目を向けることに主眼を置いた保育】・【子どもたちの学びのプロセスを大切にした保育】をこれからも優先していく。

「仲間」

2019/3 どんぐり組(2歳児クラス)

M君が1人でポツンとボールに座って地面をいじっていた。それに気付いたRちゃんが「M君どうしたの?」と声を掛け、同じ格好で座り、M君の話を聞いた。M君の表情が笑顔に変わった。

 

<担任の気付き>

遠くにいたM君を見つけて「どうしたの?」と思いやるRちゃんの優しさにほっこり。同じ格好で座ったことに、「私(Rちゃん)はM君の仲間だよ」と伝えているようにも感じた。

「先生!消防車来た!」

2019/2 異年齢組(1~3歳児クラス)

隣の駐車場に消防車が来たのを発見し、すぐに子どもを連れて見学に出た3歳児クラス。後から1歳児6名と2歳児3名も参加した。消防士が来て、1つずつシャッターを開けて説明してくれる。そうなった途端、子ども達から「ここは?」「こっちは何?」「これも開けて」など言葉があふれる。保育者が主導することなく、子どもたちから質問が出てくる。自発的に湧き上がる好奇心と探求心。他の車や自分の経験と比較して、さらに興味を追求するA君。言葉数には差もあるが、それぞれの子どもたちなりに参加し、消防車に向かう気持ちが見られる。

<担任の気づき>

 これまで20年の保育士経験の中で、消防車見学は何度もしてきた。役所と消防署に計画書を送り、何度も打ち合わせを行い、当日を迎える。全園児での参加だった。計画して期待を持たせての参加のはずが、今までは年長児ですら子どもたちから質問があがることは少なく、これだけ質問をする子どもたちは見たことがなかった。何も言えない、意味が伝わってない、前日までに保育者が教え込ませた質問をする・・・そういった姿が当たり前のようにあった。なぜなら、当日は集団行動のため、担任も子どもたちも追い立てられるような時間だったから。担任として提供してきた保育内容は、あの時の子ども達も、この子達もほとんど変わりないのに、こんなにも環境で変わるのだろうか。

「はじめの一歩」

2018/8 どんぐり組(2歳児クラス)

今年はすごく暑かったので6月中旬からタライに水をためて水遊びを楽しんでいた。

7月になり、プールを出すとみんなは喜んでパンツ1枚でバシャバシャとプールの中へ。しかし、何事にも慎重なS君はパンツ1枚になることを拒否し、洋服を全て着たままプールへ向かう。そして、プールに入ることも拒否。タライやバケツに水を汲んでプールサイドでの水遊びを楽しむ程度。

保育者は、プールの楽しさを知ってもらえたらと思い、プールの中で楽しめる玩具(ピタゴラ装置など)を用意してみるものの、保育者が立ったまま抱っこで入って遊びたいと要求…大きいプールに入っていくのはS君にとってすごく勇気がいるもののよう。それならアプローチはしながらもS君の勇気が出るまでは待ってみようと思った。

 

数日後・・・。

 

タライではなく、だんだんプールの水をすくって水遊びを楽しむようになったのでタライを撤去してみた。さらに数日様子を見守っていると、プールの中にある玩具を取ろうと自分からプールへ入っていくS君の姿が!!勇気を振り絞って出した一歩に保育者達は感動。

その日をきっかけにS君はプールへ入って遊ぶようになり、お友達との水の掛け合いも楽しめるようになった。S君のはじめの一歩、ひと夏の成長を本当にうれしく思います。

まだ拒否する日もありますが(笑)

「野菜のお世話は私の仕事ッ♡」

2018/7 どんぐり組(2歳児クラス)

先日まで心の不安定な状態が続いていたKちゃん。登園時も「ママがいい」と泣き、日中も「抱っこしてよ」と保育士にべったり。そのため、一週間ほどクラスから離れ保育士と1対1で過ごすようにしたところ、少しずつ落ち着きを取り戻し、たくさんの笑顔とおしゃべりをする姿が見られるようになった。

 

Kちゃんの表情を明るくし、安定して過ごせるようになったそのきっかけは・・・「野菜のお世話と収穫の楽しさ」だった。

 

ある日のプール遊びの時、たくさんの野菜が出来ていた事を思い出した保育者が、Kちゃんを野菜の収穫に誘うとなんとなく「うん」とうなずく。あまり乗り気でない感じを受けたが、野菜の様子を話ししていくとだんだんと興味が湧いてきたようで近くにあったカゴを持って嬉しそうに収穫に向かった。そして、カゴの中の野菜が盛りだくさんになってくると気持ちが高まってきて、保育者との楽しい言葉のやりとりが始まる。

 

「これはピーマンだね。ナスだね。」たくさん穫れた野菜を嬉しそうに見せ、トマトがカラスに食べられてしまった事を思い出し「カラスさんに、トマト食べないでくださいって書いてよ」とM先生に伝える。保育者が「そうだね、わかったよ」と言うと、キャッキャッ言いながら飛び跳ねて喜んだ。

 

その日から登園してくると「トマト見に行こうか」と言ってきたり、最初の収穫がプールの時間帯だったのでその時間になると気になり始めプール遊びで使っているペットボトルシャワーで水やりに行っている。夕方にも「大きくなったかなー?」と頭の中が野菜のことでいっぱい!!

お迎えの時はママも一緒に見に行き、頑張って水やりをしてくれた事、気にかけて観察をしてくれている事に「ありがとね。」とKちゃんに伝えると、その姿は誇らしげだった。

「お気に入りの1冊」

2018 / 6 どんぐり組(2歳児クラス)

寝る前に絵本を1冊見る習慣が園にあり、人気のプリンセスの絵本は順番に見たり、友達同士一緒に見て布団に入っていた。

 

6月11日:Yちゃんが給食の最中にプリンセスの絵本を取りに行き、椅子の後ろに置いてキープする。

 

6月12日:Sちゃんが歯磨き前に、急に昨日のYちゃんの行動を思い出してか同じプリンセスの絵本をキープしに行く。寝る前にその絵本が無いことに気付いたYちゃんが怒って本の取り合いになる。

 

(担任からこれまでの経緯と、どう対応したら良いか相談があった)今までは順番に見ていたが、「絶対にこうしたい!」という気持ちが強くなり、最近は本だけでなく物の取り合いが増えてきた。

・プリンセスの絵本は大好きだけど、ケンカの原因になるならしまった方が良いのでは。

・カラーコピーで増刷して、好きな時に見られるようにしたらどうか。

●それなら本屋さんに絵本を見に行って、お気に入りの1冊を買いに行こう!

 

某日:ブックオフに行ってみよう!玄関で支度をしていると5月で育休退園した園児が遊びに来てくれた。今から本屋さんに行く話をすると、一緒に行きたい!と盛り上がり、保護者も一緒に出発・・・。

 

あれから数日。「自分のもの!」という意識が強く棚の上に大切に保管していた絵本たちは、「みんなのもの」として、2歳児以外の園児も自由に手に取り楽しめている。そして寝る前はやはり自分の買ったお気に入りの1冊を布団に持ち込み、友達や保育者と一緒に見て穏やかにお昼寝に入っている。

「ま な び」

2018 / 3 どんぐり組(2歳児クラス)

ブロックにハマっているK君は毎日のように遊んでいた。

その日は高く積み上げてバランスをとることに熱中し、登園してから散歩に出るまでやり続けていた。「お散歩に行こう」という保育者の声かけで、散歩へ行きたくなったが積み上げたブロックはこのまま取っておきたいと思ったようで「上に置いておいて」と棚の上に置いておくように保育者に頼んだ。

保育者は言われたように棚の上に置いたが、しばらくすると風が吹き、ブロックは倒れて棚から落ち、壊れてしまう。

「風で倒れちゃったんだね」と保育者が言うと「もぉ~」と言いながらも、また1から積み上げた。完成するとまた飾ってほしいと言う。

保育者は棚の上に置きながら「また風で倒れないかな?」と言うと、K君は開いていた窓を全部閉めに向かった。どこから風が入ってくるのか、どうしたら風で倒れずに済むのかを全て自分で考え、実行してから散歩に行った。

 

その日の夕方もブロックを積んで遊んでいたが、遊び始める前に午前中の出来事を思い出したようで、自分で窓を閉めに行った。

「せんせいはどうする?」

2018 / 3 どんぐり組(2歳児クラス)

恐竜が好きでよくフィギュアで遊んでいたS君。恐竜の絵本を一緒に読むなかで名前や大きさ等、どんどん知識をつけていった。(おうちでも)

散歩の道中で何の恐竜が好きなのかという話題から話がどんどん広がり「今ここに恐竜が出てきたらどうするか?」という話になった。

 

S君 「C先生どうする?」

保育者 「えーどうしよう。大きいしこわいし、食べられちゃうのかな?S君はどうする?」

S君 「恐竜はこーんくらい大きいからさ、狭い所には入ってこれないと思う。だからこっちに逃げれば食べられないよ!」

 

と近くにあった細い道を指差しながら言った。

自分の中にある情報と、「もし」という話を繋げながら話すことができる。

「はい、どうぞ。」

2017/10 どんぐり組(2歳児クラス)

散歩へ出掛ける前の支度を早く終えたH君は、絵本を読みながら皆が準備できるのを待っていた。Rちゃんも支度が終わりH君の横に座っていた。絵本を一度読み終えたH君は一瞬だけ絵本を床に置いた。その瞬間にRちゃんが絵本を取って読み始める。Rちゃんはその絵本を狙っていたようだ。

Rちゃんが取ったことにすぐ気付いたH君は「ぼくの!」と怒りながら取り返し、Rちゃんから離れた場所に逃げる。Rちゃんは泣き出してしまう。

しばらく様子を見て、Rちゃんが落ち着いた頃に話を聞く。

「Rも読みたかったのに。」

「かして」と聞いてみることを提案するが「うん…」と反応がいまいちだったので「一緒に聞きに行く?」というと「うん!」と動き始める。

 

保育者・R 「かして」

H「やだよ」 【この時点で絵本は抱えているだけで読む気はない】

保育者「一緒に見てもいい?」

H「だめ」

 

その反応にRちゃんがまた泣き出してしまったので落ち着かせ、H君の気が済むまで一緒に待つことにした。そのやり取りの間に他児は散歩の支度が終わっていたので、待たせないようサブの先生に、2人以外と散歩に行ってもらうように頼んだ。「お散歩いこう~」という声掛けで他児が玄関に向かうとH君も他児につられ、絵本を投げ捨てて玄関に向かった。

すると、2人のやり取りを近くに座ってじっと見ていたK君が、絵本を拾ってRちゃんに持ってきてくれ、渡すとK君も玄関へと向かった。

その後Rちゃんと保育士は1対1でその絵本を読んだ。何回か読むと満足したのか気持ちよくRちゃんも散歩へ出発することができた。